Google Analyticsは無料で使えるアクセス解析ツールで、多くの企業が導入しており今も活用されていると思います。そのGoogle Analyticsですが、2020年にGoogle Analytics 4(以下、GA4)として仕様を大幅に変更してリリースされました。
従来のGoogle Analyticsと設定方法や計測できることが大きく異なっているので戸惑っている方も多いのではないでしょうか。今回のブログではGA4の概要について解説します。
Google Analytics 4とは
GA4は2019年にリリースされた「App + ウェブ プロパティ」を基にして、2020年10月にGA4としてリリースされました。
従来のGoogle Analytics (以下UA)と比べて、ウェブサイトのアクセスを計測できるだけでなく、アプリの計測をしウェブとアプリでデータを横断して分析できたり、計測設計の変更、機械学習の導入、プライバシー保護を考慮した計測等が追加され仕様が大幅に変更されています。
今後はUAからGA4に移行するといわれてますが、GA4は現時点でも機能追加を繰り返しており不安定な部分もありますので、メインの分析ツールとして使うにはまだ難しいです。
UAは今後サポートされなくなっていく可能性が高いと思われるため、今からデータを溜める意味でもGA4の導入だけはしておいた方が良いと思います。
GA4は従来のUAと同時にサイトに導入することが出来ますので、今すぐにGA4へ移行ということではなく従来のUAを引き続き使いつつ、同時にGA4を導入するのがよいかと思います。
GA4とUAは大きく以下の点で違いがあります。
- アプリとウェブの横断分析
- 計測設計の変更
- レポート画面の大幅な変更
- BigQueryとの連携が可能
- プライバシー保護を考慮した計測
アプリとウェブの横断分析
従来のUAではウェブサイトのデータしか取得することが出来ませんでしたが、GA4はプロパティにデータストリームという項目が追加されており、ウェブサイトのデータとFirebaseを使用して計測されてアプリのデータを収集することが出来ます。
ウェブサイトとアプリを横断して利用しているユーザー行動についても、同じユーザーとして計測することが可能になりました。
計測設計の変更
今までのUAでは「セッション」や「ページビュー」といった「セッションベース」での使用を利用していたのに対して、GA4では「ユーザーベース(イベントベース)」へ計測設計が変更されました。
これに伴い、今までセッションベースで使われてきた指標の直帰率や離脱率といった指標が見当たらなくなっており、エンゲージメントやユーザー獲得、維持率といったユーザーに関わる項目が増えている形になっています。
レポート画面の大幅な変更
UAの時にあった「カスタムレポート」は廃止され、新しく「探索(前まで分析ハブという名称)」という項目が追加されました。基本的な情報は探索を使わなくてもレポートから確認可能ですが、探索を使うことでアドホックな分析をすることができます。
またフローレポートやファネル分析、セグメントの重複等もこの探索から分析することが可能です。
BigQueryとの連携が可能(無料版から使用可)
BigQueryとはGoogle Cloud Platformで提供されているデータウェアハウスで、UAだと有償版(GA360)の機能としてあったBigQueryエクスポートがGA4では無料版から使用できるようになりました。
BigQueryへデータをエクスポートすることにより、SQLを用いた分析が可能でありGA4の探索よりも深い分析を行うことも可能になりました。
プライバシー保護を考慮した計測
GA4はGDPR(EU一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)に準拠したツールになっており、またユーザー単位のデータ保持期間は最大14か月となっています。
まとめ
GA4はリリースされてから半年以上経過していますが、まだ各社手探り状態だと思います。またツール自体もアップデート重ねており機能も追加されていますので、情報を都度キャッチアップしていくのも大変かと思います。
まだまだ機能の不足や周辺ツールとの連携も不十分ですので、まずはUAと併用しつつ今後の変化に備えていくのが良いかと思います。