GA4の新機能として「探索」という機能が追加されました。従来のUAで言うところの「カスタムレポート」に近い機能となっております。レポート機能よりも高度な手法を使ってユーザーの行動などを分析することが出来ます。
従来のUAにおける「カスタムレポート」はご自身でディメンションと指標を選択して、表や折れ線グラフを表すにとどまっておりますが、GA4の探索機能はディメンションと指標を自由に選択できるという点において旧UAと同じですが、ビジュアライズ面で大きく強化されております。
またユーザーエクスプローラーやコホート分析、目標到達プロセスといったレポートも別に切り出しされていたのですが、GA4では探索機能へ統合されており、こちらも従来より自由に設定をすることが出来るようになりました。
標準のレポート機能より様々な角度で分析することが可能ですが、目的がない状態で使用すると何を表現していいかわからなくなる場合もありますので、何を伝えたいかを踏まえた上で使用していきましょう。
データ探索画面
データ探索は画面左メニューの「探索」をクリックします。その後一から自分でレポートを作成することが出来る「空白」や「自由形式」「目標到達プロセスデータ探索」といったテンプレートがありますので、ご自身の作成したい内容を選択して作成していきます。
後から「手法」や「ビジュアリゼーション」という部分で変更もできますので、好きに選んでいただいて大丈夫かと思います。
自由形式
自由形式はユーザーが自分で自由にレポートを作成できる機能となります。こちらは以下画像の様にタブの設定、「ビジュアリゼーション」から表現したいビジュアライズを選択し作成を行っていきます。
実際に作成するときはドラッグアンドドロップにて、ディメンションや指標を「行」や「列」に入れることにより作成していきます。
テーブル
テーブルは数値と棒による組み合わせで表示される表です。行と列を操作することで表示を調整することが可能となっております。
ドーナツグラフ
円グラフの中央に穴が開いているスタイルの表です。割合を表すときに使うグラフとなります。
折れ線グラフ
数値の点を線で結び、推移を表したグラフとなります。また他のグラフと違うところで「異常検出」という機能があります。これは過去のデータ(トレーニング期間 )を用いて異常値が存在する場合に検知する機能となっております。詳しくはGoogle公式のヘルプをご参照いただければと思います。
https://support.google.com/analytics/answer/9517187?hl=ja
散布図
縦軸と横軸に指標を決め各項目の数量の点を配置し関係性を表したグラフとなります。
棒グラフ
横に伸びる棒で数量を表し、各数量の差異を表したグラフとなります。探索で使用できる棒は現在横方向のみとなっております。
地図
地図上に数量を円で表したグラフとなります。「地域の内訳」から粒度を変更することが出来ます。
目標到達プロセス
目標到達プロセスはユーザーがコンバージョンに至るまでのステップを可視化することが出来ます。「ステップ」から到達プロセスを設定することが可能です。また「目標プロセスをオープンにする」でオープンファネルとクローズドファネルを選択することが出来ます。
経路データ探索
イベントデータに基づいてユーザーの行動フローのレポートを確認することが出来ます。ユーザーがたどった経路がツリー形式で表示されます。
セグメントの重複
各セグメントの別のユーザー重複を分析し、特定のユーザーを把握することが出来ます。セグメントは最大3個のセグメントを比較しそれらの重複を表現することが出来ます。
ユーザーエクスプローラー
ユーザー個人のウェブサイトやアプリの利用状況について詳細を確認することが出来ます。ユーザーエクスプローラーを利用することで、コンバージョンしたユーザーに絞ってサイト内・アプリ内行動を把握することができ、コンバージョンに起因している要素を洗い出すことが出来るようになります。
コホートデータ探索
コホートデータ探索はユーザー属性や条件でグループごとに分類し、そのグループに属するユーザーの動向を分析することが出来るレポートとなります。ユーザーのサイトへの再訪問率や維持率など、時間経過にともなうユーザーの行動を分析するのに使用します。
ユーザーのライフタイム
ユーザーのライフタイムとは、サイトやアプリのユーザー合計数やLTV(ライフタイムバリュー)の指標から、顧客の生涯価値を表すことが出来ます。例えば、一番高いLTVを出している参照元・メディアを特定し施策を検討するといったことに使用できます。
まとめ
今回はGoogleアナリティクス4の探索機能について解説しました。従来のUAにも探索機能で出てきたレポートと同等の機能がありましたが、GA4の探索機能はより詳細にディメンションや指標を設定でき、アドホックに分析をすることができる印象です。
通常レポートよりも自由に設定をできる反面、そのディメンションや指標に対してより多くの知識や理解を必要としますが、新しい成果を出すためのツールとして活用できるものですので参考にしていただければと思います。
また、他のツールとデータ連携をしたい場合やより詳細なデータにアクセスしたい場合はBigQueryにエクスポートする方法もございますので、そちらもご検討いただければと思います。